絵画(アート)に投資とは
投資先というと企業に投資する株式投資や、マンションなどに投資する不動産投資などが有名ですが、アメリカで注目を集めている投資先として絵画(アート)があります。
絵画と投資、アートと投資、というと一見真逆のように思えますが、なぜ絵画がおすすめの投資先として広がっているのでしょうか。
その前に、まずは「アート投資」について簡単に説明したいと思います。
絵画で有名な、たとえばゴッホやピカソのような芸術作品も、一つの投資先です。
ただ、あれは莫大な費用がかかるので、一部の貴族階級だけの趣味に近いものがあり、一般人が投資先として購入するものではありません。
一方で、小さなギャラリーをめぐり、まだ無名の現代アート作家の作品を(もちろん応援したい意味も込めてですが)安い段階で購入する。
そして、将来の人気(値上がり)を期待する、というのもアート投資の一つの形です。
それでは、そんな絵画(アート)が投資先として注目されている理由について紹介したいと思います。
絵画が投資先におすすめの理由1「鑑賞できる」
まず一つ目の理由は、それが純粋に「鑑賞できる」という点にあります。
不動産投資や株式投資では、美的に鑑賞する、ということはできません(不動産の場合は居住することはできますが)。
株式投資の場合は、将来性や、気に入った企業の株を購入しても、万一投資がうまくいかなければ、そのまま塩漬けになり、悶々とした苛立ちを覚えるかもしれません。
しかし、絵画は、その物自体が輝きを放ち、自分の日頃の苛立ちを癒してくれる存在になります。
また、絵画が趣味の人たちと、この作家のどこが素晴らしいとか、芸術家の将来性についての会話も弾みます。
アート投資というとハードルが高いかもしれませんが、小さなギャラリーや、SNSなどで作品を発表していて、この作家は将来人気が出そうだ、この作品はぜひ保有して部屋に飾っておきたい、という作品があれば、気軽な気持ちで購入してみましょう。
それは純粋な芸術鑑賞であるとともに、立派な投資にもなるのです。
絵画が投資先におすすめの理由2「値上がり」
投資なので、爆発的な「値上がり」を期待して購入する場合もあるでしょう。
古くは日本の浮世絵も当時のかけ蕎麦一杯程度の値段だったのが、今では世界中の美術館に飾られるほどですし、ゴッホの作品も生前はほとんど誰にも見向きのされなかった絵が、数億円の価値を持つようになりました。
最近でも、奈良美智さんや森村泰昌さん、村上隆さんの絵が、短期間で大きく値上がりしました。
[box04 title=”アートの値上がり”]奈良美智 原画一点5000円程度(96年)→ ドローイング原画一点30〜70万円(現在)上昇率60〜140倍
森村泰昌 作品一点55万円(96年)→ 一点250〜370万円(現在)上昇率5〜7倍
村上隆 作品一点20〜40万円(96年)→ 一点一億円(現在)上昇率250〜500倍
[/box04]当然、投資ですから値下がりすることもありえますが、最初から値上がり(リターン)だけを期待するのではなく、自分が好きな作品を購入すれば、最低でも「元は取れている」と思えることでしょう。
また、投資には、その画家を応援する、という意味合いもあります。
これは絵画だけでなく、たとえば音楽や日頃の商品でも、「購入する」というのは一つの応援であり、「あなたに制作を続けてほしい」という一票でもあります。
投資には、そんなひととひととの「応援したい」という想いもこもっているのです。
絵画が投資先におすすめの理由3「自分の鑑識眼」
デヴィ夫人が以前、主な収入源は投資で、その投資先として絵画がおすすめな理由について、「きちんと見定めて良い物を買えば、値下がりすることはまずありません(「週刊新潮 2017.11.9号」より)」と語っていました。
企業や不動産への投資も時代の潮流や経営者の理念などを見る目が問われますが、いっそう主観的な感性が問われるのが「アート」だと思います。
きちんと見定めて良い物を買うというのは確かに難しいことかもしれませんが、ある程度「自分の力で判断できる」という点は、自信がある方にとっては安心材料と言えるでしょう。
路上で売っていた安い絵が、あとで膨大な価値を持つことも夢ではないかもしれません。
最近ではネットによってアート投資がしやすい環境づくりも整いつつあるようです。
「確かな鑑識眼を持っている人は、ほとんどいません。私たちは誰にでもアートに投資できる環境を提供したいのです。」
まとめ
最後にもう一度まとめると、以下の三点が、絵画が投資先として注目を浴びる理由です。
- 純粋に飾って楽しめる。
- 値上がりが期待できる。
- 自分の鑑識眼が頼りになる。
絵画は将来の値上がりを期待するよりも、今の美的な感動のために購入するべきものかもしれません。
一方で、それが単なる蕩尽ではなく、投資になること、また応援になることもお分かりいただけたのではないでしょうか。
まずは気になった作家の作品を一枚だけ購入してみてはいかがでしょうか。
以上、投資先としての絵画(アート)に関する記事でした。