大阪北部の地震
大阪北部で起きた震度6弱の地震。
様々な被害を大阪にもたらし、関西地方の人々も余震のたびに不安な夜を過ごしているのではないでしょうか。
【東日本大震災】余震多発!巨大余震、誘発地震の可能性も(2017年版)
また、余震だけでなく、過去の熊本や東日本の地震の事例を見ても、今回の大阪北部の地震は前震で、数日以内に本震が起きるのではないか、という不安の声や、可能性はゼロではない、と指摘する専門家もいます。
宮城県民やけどな、こう震度5強とか6弱の地震が起きた次の日だか2日後だかに、クッソアホみたいな巨大地震+津波で家なき子になったからな、今から防災非難用品用意しても遅くないんやで。
これが本震じゃない可能性も念頭に入れておくんやで— 妻帯者・エヌディカイ (@nosi_kun) 2018年6月17日
ボクの場合携帯と免許証以外の何一つなくなってたので、なくて困った物は寝具や飲料水、食べ物、情報源でした。
携帯ラジオや飲料水、非常食は基本として、煮沸消毒や調理用にガスコンロなど用意してもいいと思います— 妻帯者・エヌディカイ (@nosi_kun) 2018年6月17日
特に、今後一週間程度は注意が必要かもしれません。
大阪地震、今後本震は起こらない、という専門家の声も
一方で、油断はしてはいけませんが、安心材料の一つとして、元京都大学総長で熊本地震を周辺断層の地震データから予測し警鐘を鳴らしていた地震学が専門の尾池和夫さんは、この大阪地震では今後本震のような形で大きな地震は「起きないと思う」という風に語っています。
画像 : ミヤネ屋
今回震源地だと思われているのは、有馬ー高槻断層帯の近くで、この地震によって、周辺の活断層に刺激を与えたのではないか、という声があります。
尾池さんは、「刺激は与えただろうが、有馬高槻断層帯は400年前に、六甲淡路島断層帯は23年前に、生駒断層帯は8世紀に起こっている。だから、今回の地震で刺激されても全然動かない」と言います。
一度動いた場所は、「積立預金と一緒で、いったんなくなればしばらくは起こらない、エネルギーは逃げているので2000年くらいは大丈夫」だそうです。
この地震で刺激されて地震が起きやすくなっている可能性があるとすれば、「上町断層帯」と「中央構造線断層帯」だと、尾池和夫さんは言います。
今可能性として高いのは、中央構造線断層帯で、大阪市街地を走る上町断層帯も怖いが、こちらは順番的に考えるとまだ大丈夫ではないかと私は思う、という風に話しています。
画像 : ミヤネ屋
さて、先ほども少し触れましたが、熊本地震のときには前震があって、本震が続きました。こうしたことは今回の大阪地震でも起きるのでしょうか。
尾池和夫氏は、「あるかもしれないが、熊本の地震には、そういう《連発癖》がある」「近畿の場合は京阪神の特徴として《単発性》。神戸の地震もどんときてあとはバラバラと収まっていった、それが京阪神の特徴」
本震が起こらないと尾池さんが考える理由は、京阪神の地震の特徴は、単発性だから、というもの。
震度6があって、そのあと震度7が連続で続く、といったタイプの地震は、この辺りでは過去1500年起こっていないそうです。
中央構造線が刺激?
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大阪地震によって中央構造線が刺激されたことで、中央構造線が走る愛媛でも地震が起きるのではないか、という不安の声に対しては、「絶対に起きない」と言い切っています。
中央構造線は、大分から愛媛、徳島、淡路まではもう動いて終わっている。近畿でいうと、和歌山、奈良の辺りがまだ残っているので警戒は必要のようです。
南海トラフとの関係性は?
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南海トラフは、あと20年くらいしたら起きる巨大地震です、と尾池さん。「それはプレートの境界が動く地震で、活断層が動く地震とは違うが、この海洋プレートに圧され、内陸の活断層が活動期になっている」
解説すると、海洋プレート型の巨大地震(南海トラフ地震など)が近づいていく過程で、ちょうどプレートによって日本列島がぎゅうぎゅうと圧を受けるような形で内陸型の地震が増えている、ということのようです。
ぎゅうぎゅうと圧されていて、どんと内陸の活断層がずれる、ということが各地で起こっている。
内陸型の地震と南海トラフの地震の関係性について、尾池さんの見解は、「南海トラフはあと20年くらいしたら起きる、その前に、内陸の活断層(直下型地震)がまたいくつか起きる」ということのようです。
活断層がないのになぜ地震が起きるのか?
最後に、千葉などでまた地震が頻発していることに関連して、なぜ活断層がない場所で地震が起きるのか、という疑問には次のように言います。
「陸地の活断層は深さ15kmのところが割れやすい。岩盤の癖として。そこから割れて、大きな地震になると地表まで割れ目のずれが出てくる。その跡を活断層と言うんです」
それは震源の浅い地震だけで、活断層がない場所での地震は、地表に割れ目が出てこないようなもっと深い場所で起きる、と。
活断層があるから地震が起きるとか、ないから地震が起きない、という考え方は捨てたほうがいいようです。
震源の浅い地震は、活断層が根拠となりえますが、深い場所で起きる地震はまた別だと言います。
「地震には色んな種類があるんです」
まとめ
いかがだったでしょうか。
まとめると、
大阪地震は、今後本震が起きない可能性のほうが高い。
また、すぐに起きるというわけではないが可能性として今後地震が起きうるのは、大阪市街地を走る上町断層帯や、和歌山、奈良の中央構造線他、約20年後に生じる南海トラフの大地震に向けて内陸で直下型の地震が、まだ起こっていない場所でいくつか起きる(その一つに東京直下型地震もあるのでしょうか? その辺りには触れていませんでした)。
この大阪地震で、はじめて尾池和夫さんという方を知って話を聞いていたのですが、個人的には説得力があるように感じました。
とは言え、あくまでこれも一つの仮説であり、いつどこで地震が起きるかわからない、ということを前提に、最低限の対策だけでも練っておく必要はあるでしょう。
読んでくださりありがとうございました。