れっきとした、の使い方と漢字
日本語に「れっきとした」という言葉があります。この「れっきとした」には、たとえば次のような使い方があります。
そのことでしたら、れっきとした証拠をちゃんとこの手に握っていますよ。
ルブラン「ルパン対ホームズ」より
どちらも真ん中で笑うおれの顔は、れっきとした人間のそれである。
万城目学「鹿男あをによし」より
学士先生の方は、東京のある中学校でれっきとした校長さんでございますが。
泉鏡花「眉かくしの霊」より
以上のような用例を見ても分かるように、「れっきとした」という言葉には「確かな」とか「立派な」といった意味があります。
それでは、「れっきとした」の漢字はどういった字を当てるのでしょうか。
漢字変換をすると、「列記」の他にもう一つ、「歴」という漢字が出てくると思います。
じつは「れっき」とは、「歴(れき)」という言葉のあいだに「っ」が入ってできたものです。「歴」というのは、「明らかな」「はっきりした」という意味があります。
これには、歴史のはっきりした、由緒正しい、といったニュアンスが含まれているようです。